蒼の余白
― データと人のあいだで、考えたこと。―
第1回 なぜ、いま「余白」を書くのか
仕事をしていると、ときどき立ち止まって考えることがあります。
「あの判断は、本当に正しかったのだろうか」
「もっと違う見方があったのではないか」
「自分は、ちゃんと相手の話を聞けていただろうか」
年齢や経験を重ねれば、答えが増えていくものだと思っていました。
ところが実際は、その逆なのかもしれません。
経験を重ねるほど、簡単には答えを出せないことが増えてきました。
地域のこと。
企業のこと。
人のこと。
そして、これからの社会のこと。
データを分析すれば、数字から見えてくるものがあります。
AIを使えば、以前なら何日もかかっていたことが、驚くほど短い時間でできるようになりました。
けれど、それだけでは分からないこともあります。
数字が「1」と示していても、その「1」の向こう側には、一人の人がいます。
その人には、これまで歩いてきた時間があり、想いがあり、事情があり、まだ言葉になっていない気持ちがある。
だから私は、データを見るほど、人を見ることが大切になるのではないかと思うようになりました。
空蒼知31の仕事を通じて、地域の方、企業の方、職人の方など、本当に多くの方々とお話をさせていただきます。
そこで教えていただくことは、決して少なくありません。
むしろ、自分たちが何かを提案しているつもりでも、振り返ってみれば、こちらの方がたくさんのことを教えていただいている。
そんなことがよくあります。
知らなかった地域の歴史。
何十年も守り続けてきた仕事へのこだわり。
数字だけでは説明できない、お客様との関係。
そして、一見すると遠回りに見えることを大切にする理由。
話を聞かなければ、分からなかったことばかりです。
だからこそ、最近は「分かったつもりにならないこと」を大切にしたいと思っています。
世の中には、たくさんの情報があります。
ニュースを開けば、毎日のように新しい出来事があり、AIは瞬時に答えを返してくれます。
便利になった一方で、私たちは少し「早く答えを出すこと」に慣れすぎているのかもしれません。
すぐに結論を出さなくてもいい。
一度立ち止まって、違う角度から眺めてみる。
自分とは違う考え方にも耳を傾けてみる。
そんな「余白」が、これからますます大切になるような気がしています。
このブログを「蒼の余白」と名付けました。
ここでは、空蒼知31の仕事だけを書くつもりはありません。
データやAI、マーケティング、地域のこと。
仕事で出会った人から教えていただいたこと。
ニュースを見て考えたこと。
本を読んで心に残った言葉。
そして、ときには散歩の途中でふと思ったことも。
月に二度ほど、少しずつ書いていこうと思います。
誰かに「これが正解です」と伝えるためではありません。
私自身が考えたことを書き留めながら、読んでくださった方にも、それぞれの考えを重ねていただける場所になればと思っています。
「余白」という言葉には、そんな想いを込めました。
自分の考えを持つ。
でも、自分の考えだけでいっぱいにしない。
人から教えていただける場所を、少し残しておく。
そして、出会いやご縁に感謝する。
まだまだ知らないことばかりです。
だからこそ、これからも人に会い、地域を歩き、数字を見ながら、考えていきたいと思います。
この「蒼の余白」も、そのための小さな場所です。
答えを急がず、ときには少し寄り道をしながら。
これから、どうぞよろしくお願いいたします。

